弘道館にて

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御所の西側、KBS京都にほど近いところにある弘道館。
ここは江戸時代の儒教学者、皆川淇園が創設した学問所だったところ。バブル崩壊を機にあやうくマンションになりそうだったところ、京菓子司「老松」太田社長が勇気ある大英断をして買い取り、今はいろんな文化の発信地となっている、隠れ名所です。

いまいち地元では盛り上がらなかった国民文化祭ですが、弘道館ではその一環としてまちかどミュージアムとして、若冲の絵をテーマにした老松さんの京菓子の展示が行われていました。

ここはすごく素敵なところで、それはそれは趣深い庭と広い和室、茶室が2室あって、時々ギャラリーとしても活躍している。門構えを前にするととても一見さんは入れそうにないところなんだけど、実は一般の人もお茶できて、庭を眺めながらいくらでもゆっくりできるという、知られざる京のオアシスなのです。

実は私はここで行われていた「お茶会はじめ」という、茶道の基本の基本を教えてくれる講座に通っていた。月一回という私などのような職業にとってはうれしいペースの講座で、お茶に興味があってもいきなり茶道!というのははばかられるけど、初心者大歓迎のお気軽講座だったので私のようながさつな人間でも気負わず参加できたのだ。しかも茶人でもあり、お茶目な紳士でもある老松・太田社長さんの話がとても面白く、堅苦しい思いをせずに全5回があっという間に終わってしまったのでした。

講座修了後、なんとなく淋しいので、この日もイベント開催とあって一緒に通っていたカメラマンのTちゃんと訪れたのだ。

この展示の期間も、宣伝不足なのか、入りにくいのか、入場者は一日平均3人とかだったらしい。わいわい人が訪れる観光地より、よっぽど京都を堪能できる場所なのに・・・。こういう場所こそ穴場だが、お気に入りの場所もどんどん観光客に占拠される今、人に知らせたくないというのも正直なところ(笑)

でも弘道館をサポートするためには、どんどん人が訪れて、お金を落としていっていただきたい。
有斐斎 弘道館は室町上長者町通西入ル北側です。

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ジャパニーズ・ジビエ

今日はちょっと冷え込んだ。朝晩はお山の上ではもう炬燵に入りたい感じ。
秋が深まってくると・・・そろそろジビエの季節です。

鹿、山鳩、野ウサギなどなど、狩猟で捕れた野生のお肉ですね。フレンチなどでは秋の味覚としてこの時期を心待ちにしている人も多いが、日本ではそういう食習慣がないのでまだまだ馴染みがない。

獣くさい・・・pig

確かに仏教徒&農耕民族にはおゲレツな食べ物なのかもしれない。だけど実は昔からそういう肉も食べられていて、意外とジビエで栄養を取っていたんだそうだ。ウサギを1羽、2羽と数えるのはその名残で、その旨さと栄養に目覚めた昔の人が、

これは動物ではなく、野菜と思えばいいthink

そういう無理からの発想で1匹、2匹ではなく、1羽、2羽と数えるようになったというらしい。美味しいものは食べたいが、周りの目は気になる・・・苦渋のいいわけが現在に至るまで続いているというのがおかしいhappy02 例えばこんな例も・・・

ぼたん
もみじ
さくら

これらは芸妓の名前ではない。ぼたんがイノシシの肉、もみじは鹿肉、そして桜が馬肉。花札の絵とも関係してるそうだが、随分美しい隠語を考えたものだ。食べてるものは獣の肉に違いないのだが、こう呼べばなんだか響きもいい。獣イメージを払拭する、イメージ戦略が必要だったのだ。

京都にある元祖ぼたん鍋で有名な「畑かく」さんも、創業当初は苦労したそうだ。

もともと雲ヶ畑で旅館をやられていたそうだが、雲ヶ畑が公家の方々の御猟場だったらしく、その影響で「ジビエ」料理を提供されるようになったという。中でもイノシシはスケールがデカいので、毎日同じイノシシ料理では飽きられるので、その料理法の一つとしてぼたん鍋が生まれたのだそう。しかしそんなハイカラな名前がついたのはもっと後。

当時は「しし肉」と呼ばれ、皇族方はお召し上がりになっているというのに、一般庶民はとんでもございません!という顔で総スカン!せいぜい鳥肉ぐらいしか食べたことがないその時代(大正〜昭和)の抵抗派勢力たるや現在とは比べものにならなかっただろうと想像できる。

そこで京都には京都らしい、雅な食べ方がありまっしゃろ。

ということで考案された「ぼたん鍋」は、京都らしく白味噌で野菜と煮込み、オリジナルポン酢で食べるというスタイルが生まれたのでした。お肉もぼたんの花弁のように美しく盛りつけて、決して「獣」とは思わせない情緒ある演出とネーミングが京都人の心をとらえるようになったというわけです。


日本のジビエって、なんだか言い訳の歴史っじゃん

っていう気もしないでもないですが、それはひとまず置いておいて、日本の美味いジビエ再発見!ってことで、囲炉裏で食べる畑かくさんの「ぼたん鍋」はおすすめで〜す!


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本日の取材日記

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東福寺塔頭、勝林寺さんの精進粥膳。
初心者でも体験できる早朝座禅(約80分)。その後粥をいただいて、身体も心もリフレッシュできる。東京から1人で参加する女子が多いとか・・・。都会のオンナは何かと疲れてるんです・・・。これは団体さん向けのちょっと豪華な粥膳。個人参加の場合は、ご住職自らが膳を整えてくださる。ここのご住職がまた若くて素敵でした!きっとご住職目あての座禅女子も多いと思う。

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祇園にしむらの、鯖寿司・ごま豆腐 etc
気鋭の料理人として知られる西村さん。口は悪いが(笑)、料理は繊細。こちらの千枚漬けで巻いた鯖寿司(右)はあまりにも有名。その時季の最上の鯖を仕入れて作られます。脂ののった鯖と大藤の千枚漬けの組み合わせが絶妙!左は今度お店で出す椀物、かぶら蒸し。くもこ入りというのがさすがにしむら流。そして私のお気に入りはごま豆腐(奥)。スーパーで買ったものなど食べられなくなります・・・。

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志る幸の、鯛めし丼、おとし芋汁、生麩
ちょっと写真ボケてますが、ここは私にとっても盲点だったお店。「しるこう」という名前は、質素を美徳とする京都人が、客はご飯を持ち寄り、主人は汁だけ作ってもてなしたという平安時代からの習わしに由来する。だからこのお店では季節のご飯と汁ものというシンプルな取り合わせがやたら美味い!ごはんの鯛そぼろは淡雪のよう、おとし芋汁は白味噌汁のハイレベルな完成度に驚く。

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リストランテ245 祇園の、焼き牡蠣と野菜のサラダ
京野菜イタリアンを代表するカノビアーノで修行された若きシェフが9月にオープンさせたばかりの店。料理人達に熱愛される鷹峯の樋口さんの京野菜を中心に、素材が恐ろしく美味い!この焼き牡蠣も仏オレロン産のものを空輸。全く磯臭さがない牡蠣と旬の野菜を塩とオリーブオイルのドレッシングだけでいただく。しかもマクロビなどの要素を取り入れて、自家製パンをはじめ、自家製味噌、自家製塩麹など、調味料としていい味を醸し出しています。日本人が大昔から味わってきた発酵ものに目を付けるところがサスガっす!間違いなく、京都イタリアンに旋風を巻き起こすと思う・・・。


今日はなかなか濃蜜な取材でした・・・!

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高雄の川床

次々と襲いかかってくるシゴト、
終わらぬ原稿、
沸き上がる難題、課題、
そして迫り来る納期・・・sweat01

そんなワケでブログどころではなかったここしばらくのわたくし。またもや久方ぶりのアップとなりました。だって毎日毎日シゴトしても終わらないんだもん。この土日、いや〜、たっぷりと雨降ってくれましたね〜(と嬉しそう)

お出かけ予定があった方には申し訳ないが(ざまあみろbleah)、こういう土日が一番シゴトがはかどる!お天気が良いと「こんな日にシゴトなんて・・・」というジェラシーに悩まされることなく、余計な誘惑にもながされず、シトシト降る雨をBGMに、電話も入らない土日はようシゴトできるんです。

なんかいつの間にもう梅雨入りしたとか。大好きな爽やか5月が、例年になく早く梅雨に占拠されたかと思うとちょっと悔しい気がするが、それでも梅雨の前にわずかな余暇を利用し(ってか、ムリからねじこんだというか)川床へ行ってきました!

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川床、これは京都ならではの夏の風物詩。
鴨川や貴船が有名だけど、私としては高雄がおすすめです。


鴨川はやっぱり街中だしうるさいし、暑いし、貴船は茶店風なところが多くてイマイチしっとりとした風情に欠ける。しかし高雄は茶店でもなかなかの風情。新緑のもみじや清流が手つかずの美しさを残していて、人も少ないので、山の緑と清らかな空気に静かに癒されるのです。

これは高雄・錦水亭さん。
先日東京から、福岡から、親兄弟がやってきて、ファミリーが京に集いました。亀岡温泉へ行った帰り、京都の寺社でもベスト10ぐらいに入るほどの高雄の神護寺、高山寺へ案内。とどめにここへ連れて行ってあげたらみんな大喜び。iPhoneのカメラとキャノンの一眼レフで写真撮りまくってました(笑)お昼の松花堂弁当もボリュームがあってすごく美味しい!6月の半ば頃は蛍が飛び交う風流な夜の会席もおすすめ。

浴衣着て、蛍見ながら川床で美味しい食事をいただく

あ〜、風流この上ないsign03
いつになったら実現できるかな〜
とりあえずは目の前のシゴトかたづけるのみshock ファイト!

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イタリア映画祭

世間では最長10日間というゴールデンウィーク。

え、ゴールデンウィークだったの!?ってな感じで、いつもと変わりなく仕事にいそしんでいた可哀そうな私。しかし私だけではなく、昨日ウチに久々に集まった働く女子も、ゴールデンウィークとは世間さまの話とばかりに、やっぱり相変わらずの勤労ウィークだった模様coldsweats01

そんなことで安堵してる場合ではないので、GW最後の一日の今日、やっと休日らしく、映画を観に行ってやったsmile

東京と大阪で行われているイタリア映画祭。この週末大阪のABCホールで開催されていたので行ってきたのだ。

日頃、なかなかイタリア映画を観る機会はない。ちょっと古いけどヴィスコンティ監督の「山猫」やフェリーニ監督の「8 1/2」とか、クラシカル、あるいはちょっと難解なイメージがあったイタリア映画だったが、昔「魚のスープ」という映画を見て以来、現代の普段着のイタリア映画の魅力に魅せられた。ユーモアを織り交ぜて素朴な人間らしさや哀愁が描かれるところが肌に合う。

今日見た1本目はまさにその代表作。「LA PASSIONE」。情熱という意味らしいけど、定冠詞がつくと「キリストの受難」という意味になるそうだ(定冠詞ひとつで全然意味が変わってくるイタリア語って、コワイ!)

題名の通り、キリストの受難劇が出てくるわけだが、主人公はスランプに陥っている映画監督。この監督が次々と受難に遭うのである。自分がトスカーナ地方の小さな町に所有するアパートの水漏れが、下の階にある教会の文化財級壁画を傷めているとクレームをつけられるのをきっかけに、その町で伝統的に行われている「キリストの受難」劇の演出を強要される。劇はトラブル続きだわ、次作の主演予定の女優にせっかくのプロットを罵られるわ、映画監督はクビになるわ・・・

主人公のシルヴィオ・オルランドという人のオタオタ感が実にリアルで、情けないスランプ監督役を見事に演じている。ストーリーがすごく面白いわけではないが、イタリア人のユニークなキャラクター、こっけいな場面が散りばめられていて、何度も会場は笑いに包まれていた。きれいな終わり方をしないところも、人間というもの、人生というものの深みや複雑さを表しているようで、好感が持てる。そういうところがいいんだよね~、イタリア映画って。

休憩をはさんで観たのは「穏やかな暮らし」というサスペンスタッチの映画。ドイツで、日本でいう料理旅館のようなものを経営しているイタリア人のロザリオ。少し歳の離れた妻と9歳の男の子と穏やかに暮らしているが、ある時2人組の若いイタリア人男子がやってきてから、その静かな生活に波風が立っていく。ロザリオとその若いイタリア人男子との関係は?ロザリオの過去とは・・・てな具合で、事件が起こっていく。

人が殺されたり、マフィアみないなのが出てきたり、危険な香りムンムン。ハリウッド映画なら、カーアクションやドンパチやって料理するところを、イタリア映画というのは丹念に人物や人間関係を浮かび上がらせて描く。ハラハラドキドキ、見終わった後はスカッと爽快。という映画ではないが、だからこそ心に深く刻まれる。

どちらの映画も予算もあんましかかってなさそうで、派手派手しいところも全然ないんだけど、私などは全然楽しむことができた。こういう映画って、何か劇的に自分の中に刺激が与えられるわけではないが、ちゃんと引き出しに仕舞われる。そしてふとした時にシーンやセリフが思い出されて、よみがえってくるのだ。私はこういうちゃんと心の引き出しに仕舞われる映画が好き。

もう一本最後の映画も観たかったのだが、3本も見ると一本一本の感動が薄れそうで・・・。会場もほぼ満員だったし、これからイタリア映画、もうちょっと日本でも上映してもらえたらな~

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吉野入り

取材で奈良は吉野山へ行ってきました。

吉野といえば桜の名所。あの山伏の姿で知られる修験道の信仰の本拠地、ご神木とされる桜の木がこれまでの長い歴史の中でなんと3万本も植えられ、そんじょそこらの

「きゃ~、桜きれい~!」

っていうレベルではない。もうそれは桜の群落。山の下から順に下千本、中千本、上千本、奥千本と、山の尾根を埋め尽くすように桜が咲き乱れるのだ。ってアタシもまだこの目でみたわけではないのだが・・・。 んな桜の名所も今の季節はこんな具合。

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かなりさびしい・・・。

桜で華やかに彩られるのは一年のうちのほんの一瞬なのである。人生の華もそんなもんであろう(笑)

そんな小さみしい(そんな言葉があるかどうか知らないが)、山をえっちらおっちら登って行ったわけですが、3月になったというのに寒の戻りでその日はひときわ寒く、朝方は雨までちらつく始末。そんな風だから下千本までは観光客がちらほらいたものの、もう中千本まで来ると、リュック背負ってハイクしているのは明らかにアタシだけ。たま~にそのあたりにポツリポツリとたたずむ家の人が軽トラに乗って通るぐらい。

奥千本にある(つまり一番奥)、金峯神社にある義経隠れ塔をどうしても撮影したかったので、中千本からさらにきつい坂を上ってゼーゼーいいながらたどり着いた。しかし奥千本手前にある吉野水分神社までは、かろうじて人の気配があったものの、目指す神社はさらにその奥。1.8キロ先という表示を見て再び目の前がクラクラしてきた。しかし仕事なのでなんとか後ろの足を前に、後ろの足を前にと進みつつ、きつい坂が続く杉林の奥深くへ入っていくと・・・

もうま~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ったく、人の気配なし。

地元の人すら姿を現さない。

ただただ深い杉林の奥へと道は続く。

杉林の中はまだ正午前だというのに薄暗く、

時折落ち武者か何かの石碑が不気味に佇み、

あたりはただたただ深閑として、

サワサワと時々杉が揺れるだけ。

大声を上げてみてもこの山は微動だにしない

ましてや誰かが駆けつけてくれるわけでもない。

だ~れも私がこんな所を歩いているなんて知るはずもなく

この世界にたった一人とり残されたような・・・

・・・・あ~~っ、もうダメsweat01

続きを読む "吉野入り"

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遅ればせながら紅葉レポート

忙しさにかまけて、またも書き込みをサボってしまううちに、もう12月が目の前に・・・。
12月というのは当たり前だがひと月が12回やって来るということで、本人はえ〜っまだ7回目ぐらいちゃうのんsweat01と思っているのに、2010年の幕が無理からに降りてきそうになっているという、ま、毎年毎年、同じこと言ってますが、あまりに1年が早すぎるのです・・・sign03

最近はこの年の瀬へのアプローチが一層慌ただしい。というのも温暖化で紅葉がずれ込んでいるからだと思う。秋ぐらいまではいつものペースで淡々と過ぎていくのに、紅葉のピークを迎える頃にはもう晩秋。ってことはもうすぐ師走・・・!?え〜の〜!?ってな感じで、紅葉が師走にかぶったりもするものだから、ひと息入れずに年末突入という感じである。

秋の京都は今年も恐ろしい人で、道路は他府県ナンバーであふれる。紅葉シーズンといえどもいくらなんでもこんなに人が多くないはずなのに・・・というお寺が混雑してたりする。大河ドラマの龍馬の影響やJRの「そうだ、京都行こう」のキャンペーンの余波は大きい。どちらも見てないので、私としては後で納得するのである。

でも少しピークをはずして、ちょっと郊外へ足を伸ばすと、しっとり秋の風情を味わうところは多々ある。例えば高雄。紅葉で有名なところだが、少し不便な所なので街中より人は少ないし、よほどゆったりと楽しめる。神護寺、高山寺、西明寺のお寺をめぐり、清滝川に面した絶景の茶屋でひとやすみ。この清滝川の眺め&紅葉がビューティフルなのである。


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弘法大師空海が唐から帰ってきて、15年ほども住職を務めた由緒あるお寺、神護寺。
石段がちょっとハードだが、黄色やライムグリーンや赤、オレンジと色とりどりの紅葉が
と〜っても美しいお寺。
地蔵院横から見下ろす錦雲峡はゼッケーlovely

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こちらは大山崎の別名聖天さん。

観音寺、宝積寺などこのあたりにあるお寺も
鄙びた感じがあってとってもいい。

山や竹林を背景にお堂があったりして、
四季の美しさも満喫できる。

何より人が少ない。
なので終始のんびりと散策できるのがおすすめ。
桜のシーズンもキレイだぞ〜

以上、取材かたわら、おすすめリポートでしたbleah

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侵入!農園 杉・五兵衛

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こんなにたくさんのロバを見たのは初めてだった。
見るからに優しい顔をしているのだが、ロバは私たちが近づくと、フィ~ン、ホエ~、と、初めて聞く何とも表現しがたい鳴き声を上げ、仲間を押しのけ柵から顔を出す。まだ子供のロバは大きなロバにはじき出されており、顔の割に意外と乱暴である。

動物園絵に行ったわけではない。先週枚方にある杉・五兵衛という農園を取材で訪れたのだ。
その農園で飼われているのが3,40頭はいそうなロバで、他にウサギやヤギ、ヒツジ、鶏もいる。
最近食への関心が高まったり、若い人の農業回帰もあったりして、安全な野菜というものが注目されているが、ここほどそれにこだわっているところはない。実はロバはペットとして買っているのではなく、この農園の自然サイクルの一端をしっかり担っているのだ。

ロバの糞を発酵させて堆肥にし、これを土に混ぜて作物を育てる発酵型農業を実践している杉・五兵衛農園。そこでとれた果物や野菜を食事やお菓子、加工品にし、ふるまっている。野菜のへたや食べ残しは再びロバのエサとなり、その糞がまた畑作りに役立つという、究極の循環型農業なのだ。どの段階においても化学物質や農薬など余計なものが使われることがなく、自然のまんま、ピュアな大地の恵みがいただける。


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季節の野菜が何十種類も並ぶ会席料理。薄味か、生などシンプルな調理法で、素材そのものが味わえるように仕立ててある。特に専門の料理人がいるわけではなく、この農園のスタッフが約40名、農業を営む傍ら交代で調理しているそうだ。なので奇をてらったものはひとつもない。でもその素朴さもまた素材がおいしいがあるからこそ生きてくる。

取材用に会席の6000円コースをオーダー。4000円のコースにイワナの塩焼きと原木しいたけの炭火焼きがついてくる。ちょっと高い気がするかもしれないが、それは入園料が含まれているため。甲子園ほどもある農園を散策したり、動物と遊んだり、梨狩り、芋掘りや農業体験などそういう楽しみを含めてのお値段らしい。会席料理やお鍋は築百年の代官屋敷を移築したという本館でいただける。


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テラスハウスならもう少しお安く、お手軽な農園弁当がいただける。
かご盛りのお弁当に、煮しめという農家の大皿料理がいろいろとり放題で3000円。普段ならこれで十分。平日だったけど、おばさん軍団が続々と到着し「農園弁当とミカン狩り」なんて受付で言い放つと、勝手知ったるという感じで煮しめにあれこれ箸を伸ばしていた。

直販所ではお菓子や加工食品などもいろいろ売られてるのだが、卵の値段を見てビックリ!
6個600円、つまり1個100円の卵だ。案内してくれたスタッフの話では、それでも赤字だという。安全でおいしい卵を作ろうと思うと、資料から選ばなくてはならない。北海道のの大豆、鳴門のワカメ、○○のトウモロコシといった具合に、まともなものを食べさせればエサ代だけでもバカにならない。一般に売られている卵は10個200円とか250円とかそういう卵は、まずアメリカで大量生産されているトウモロコシや大豆が使われており、遺伝子組み換えやら化学物質の温床だという。

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黄身がオレンジ色っぽい卵はおいしそうな気がするが、輸入トウモロコシがたっぷり使われている証拠だとか。国産トウモロコシなら必ず黄色っぽくなるのだそうだ。卵アレルギーも実は卵に含まれる化学物質に反応してる場合が多いらしく、杉・五兵衛農園の卵を食べるとこの手のアレルギーはまず出ないそうだ。

そんな具合にとことん自然と安全性にこだわっている杉・五兵衛農園。
農業がいつしか大量生産して利益を上げる産業になってしまい、本来の姿を見失っていることを憂えた
五兵衛さんが、食と生き方の原点に立ち返って作り上げた農園である。訪れる前は五兵衛という名前からして頑固そうなオヤジが、言葉少なに取材に応じるというイメージだったが、実際は全然違った。若い青年がすごく親切に案内してくれてheart01、働いている人の接客も丁寧だし、農園サービス業としてすっかり確立しているようだ。

グルメブームも最近は少々飽きてきたところ。
こういう信念のある農園レストランの食事って、ある意味今最も贅沢なのかもしれない。


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京都町家ステイ

元スッチー友のSちゃんがロンドンから帰国。20年ぶりに再会することになり、関西在住の友が集まり、女子5人で週末京都町家ステイ&ツアーとなりました。

みんなで食事→飲みっていう手もあったのだけど、終電の時間を気にしながらではゆっくりくつろげない。といってどこかに一泊旅行では大そうになってしまうし、そこで選んだのがこの町家ステイ。食事行って飲みに行くぐらいの予算で一泊できるのでとにかく気軽。お風呂や簡単なキッチンもある町家一軒まるごと借りて京都風情を満喫できるので、ワインや食料を買い込んで、ちょっとしたパーティー気分で一泊できるところが私達の目的にかなった。

今京都でも宿泊施設の料金が随分と安くなったが、最近増えてきているのがこの町家の一軒貸し。バリエーションもいろいろあって、お値段相応の町家がチョイスできるので、目的や相手に合わせてアレンジするのもいいですよ。

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まずは錦市場にある「錦そや」でランチ。京都らしいものがいいかなと思って、豆腐の創作料理のコースがいただけるこちらのお店を予約。「こんな繊細な料理食べるの何年ぶりやろ〜」と感動していたSちゃん。そしてお店の人の丁寧な接客に触れると日本を実感するという。これはイタリア在住のIちゃんも、イギリス在住のSちゃんも口を揃えるが、海外で暮らす一番のストレスはいろんなサービスの悪さ。電車は時刻通り来ない、修理を頼んでもなかなか来てくれない、お店に入れば店員は無愛想。そういう意味では日本は本当に暮らしやすい。「水と安全はタダ」という言葉に日本人の意識が象徴されるが、当たり前のように思っているお店や暮らしのあらゆるサービスも、世界へ出れば決して当たり前ではないってことである。

満腹になった後は少し街ブラして、その後食料やワインなどを買って夕方チェックイン。時間を知らせておくと(随分遅れたのだけど)、その時間に町家を開けて係の人が待っててくれる。五条大宮近くのとっても賑やかな場所だったが、一本路地を入ると驚くほど静か。こちゃこちゃと家が並ぶ京都らしい街中にあるのだけど、町家自体はちゃんと表も中もリフォームされていて期待以上にきれいだった。面白いことに町家ステイは宿泊ではなく、貸家というスタイル。町家一軒貸しというのは宿泊規定を満たさないのだろうか、貸家契約にサインすることがチェックイン代わりとなる。係の人は家の中を案内し、チェックインのサインが済むと帰っていくので、あとは私達だけ。おばあちゃんは出てこないが、おばあちゃんの家に来たような気楽な気分だ。

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1階はキッチンとお風呂の他、6畳、3畳に板の間、そして小さな坪庭。狭そうに思えるけど、襖を開けたオープンな部屋になっていて思ったより広い。テーブルを5人で囲むにもちょうどいいスペース。ここに買ってきたお惣菜やパンを並べて、キャンドルも灯せば(本当は火を使うのはダメかも)、立派な宴会準備が整った。冷蔵庫、電子レンジ、ポット、グラスやお皿、ワインオープナーなど備品もいろいろ揃っていたので、こういう宴会目的のステイにはもってこいかも。

ただ残念だったのが付帯設備としてあるPCの音声が出なかったこと。インターネットラジオなどのBGMがなかったのはちょっと哀しかったweep

しかしカンパーイ!の後はそんなこと気にもかけず、食べ、飲み、しゃべり・・・既にお風呂にも入って化粧を落とし、部屋着に着替えていつつぶれてもいいというチョーリラックスした姿勢で囲む食卓はいやホンマくつろげます。20年ぶりに会ったSちゃんも、みんなと寄り合えば少しもタイムラグを感じさせないあの頃のまま。いや、本当はみんなそれぞれ少しずつ変わっているのだろうけど、寄り集まればあの頃に戻る、というのが正しいのかもしれない。

誰か宴会の途中で布団敷いて隣で寝てた人もいたけど(笑)、就寝はお二階で。ちゃんとクリーンなお布団一揃えが人数分置いてあるのだが、マットレスのない煎餅布団なので、翌朝少々カラダが痛くなる可能性はあるかも・・・。

翌朝はコーヒーなどを飲んで11時にチェックアウト(ドリップコーヒーの備え付けは有り難かった!)。「腹減った〜!」のみなさんの声に押されるように向かったのは蕎麦屋「にこら」。最近西陣エリアにいろいろと面白いお店が増えてきたのだが、ここ「にこら」さんもちょっとこだわりのお蕎麦屋さん。お蕎麦は茨城県産の自家製十割蕎麦。これに季節のお料理三品と天ぷらをつけたおすすめコースをオーダー。しっとりとおしゃれな店内も落ち着きます。

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ということで、その日は次のような特選京都コースをセレクト。世界遺産「金閣寺」の駐車場に車を駐めても金閣寺は見向きもせず(笑)、リクエストにお応えして徹底的に美味いもん、流行りもんスーベニアコースを車で巡りました。

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ちりめん山椒「しののめ」
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ソーセージのかわきた屋
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金閣寺「箸方化粧品」
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BON BON CAFEでブレイク
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出町ふたば
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京漬物野呂本店

解散時にはみんなすっかりお買い物袋ぶら下げて、満足げな顔。ライター家業の知識が役に立つ。いや〜、マジで京都のツアーコンダクター商売にしてやろうかなって思いました!とりあえず町家ステイ〜京都スーベニアツアー第一回目は大盛況のうちに終了。Sちゃんはロンドンへのいい思い出になったかな。

また次回のお越しをお待ちしておりますhappy01

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信州の旅

猛烈に暑い中を、猛烈なスケジュールをこなしているこの夏。

おまけにこの暑いのに同級生仲間とゴルフをやったり、オランダ人の観光案内をしたりと、そろそろ私の体力も限界に達しそうである。というわけでこの1,2週間はあまりにもいろんなことがありすぎた濃縮ウィーク。どれから書いていいかわからないので、とりあえず旅のお話から。

8月1日から3日間は恒例の旅行で信州へ。

結論からいうと、とっても楽しかったです〜happy01
出発日は京都でみんな集合して塩尻へ、まずはワイナリーめぐりからスタート。といっても井筒ワインと五一ワインの2箇所なんだけど、いきなりウェルカムドリンクを堪能です。もんのすごい葡萄味のワインから辛口のものまで、多彩なワインが楽しめた井筒ワイン。しかもタダ!ベロンベロンになるのではないかと思ったけど、おつまみも何もないと案外飲めないもので、ワインというのはやはりお料理とのマリアージュなのだなと思った。

残念だったのは地下にある貯蔵庫が見学できるんだけど、だれも説明も案内もしてくれない。ただくら〜い倉庫を見て帰ってくるだけ。そこにどんな意味があるのか。ワインのテイスティングも何十種類ものボトルを勝手に冷蔵庫から出して飲むだけなので、説明もおつまみもない。カリフォルニア・ナパバレーのエンターテイメント性やホスピタリティを見習って欲しいものである。タダで飲んでて言うのも何ですが・・・coldsweats01

しかし美ヶ原温泉郷の宿「追分屋旅館」はサイコーでした!

何がいいって、お料理。温泉に入って、浴衣に着替え、夕食へ向かう時ほど心高鳴る瞬間はない。そして期待に胸膨らませてお食事処に行くと、見事な有田焼の器に趣向を凝らした料理が満載!手の込んだメニューがちょこちょこといろいろ登場し、グラスを片手にそれらを平らげる喜びをたっぷり噛みしめたのでした・・・。

そしてとにかく旅館の方の気遣いがすごい!

チェックイン後、馬刺しがダメとか、鯉が食べられないとか言うと、すぐに板場に連絡して別のものを用意してくれたり、2日目の外出から帰ると「裏で穫れたメロンです〜」と言って女将さんがメロンをふるまってくれたり、帰りはバスで松本駅まで送ってくれたりしてくれた。

要するに旅館としては私達はヒジョーに怖い客に見えたのだと思う。

見るからに自己主張が強そうなOver 40tyの女性が5人。ヘタなサービスをすればこーゆーところで何を言われるかわからない。女将さんが玄関で迎えた時点で「要注意客」として係の人みんなに周知させたのではないかと私は考えている(笑)。いきなり好き嫌いを口にしたり、泡風呂の泡が立たなかったとチクリと仲居さんに報告してみたり、お腹が空いたら食事の連絡が来ていないのに押し掛けたりと、旅館の人を脅かすようなふるまいが数々思い起こされる。

しかし私達は十分満足いたしましたので、ここで名言させていただきます!
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観光して、温泉入って、美味しいもの食べて、本当に久々に英気を養えた時間であった。毎回夜更かししてガールズトークしたものだったが、今回は1日目はあまりにお腹いっぱいだったため、2日目は炎天下の安曇野サイクリング(電動機付きですが)で体力を消耗していたため、2日とも11時前にはみんな眠りこけてしまった。2日目など、おふとん敷いてワイン飲みながらしゃべっていると、私はグラスを握ったまま爆睡状態という始末・・・。

お陰で早寝早起きのとっても健康的だった2日間。

しかし無事幹事の役割も滞りなく果たせたと思ったとたん、京都へ着いたら悪夢が待っていました・・・。ふとしたスキにJRの中でお土産に買ったワイン&日本酒を落としてしまい、みるみるうちに車両が酒浸しに・・・。私は10分で降りたけど、残された客にとってはえらい迷惑なことでした。すいませ〜んsweat01

というサイアクな締めくくりだったんだけど、一緒に行ったRちゃんもどこかにお土産を忘れてきたという、さすがアタシのお友だちです!

さて来年はどんなハプニングが待っているのでしょうか・・・・


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