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イマドキの住まい

建築関係のクライアントで、施主宅を宅訪問をして建築例を紹介している仕事を定期的にしている。

私は小さい頃からチラシの裏に理想の家の間取り図を描くようなコだったので、いろんな住まいを拝見できるお宅訪問は楽しい。それぞれの暮らしの姿も伺えて、マイホームを建ててしあわせそうな表情を見るのも楽しい。

で、この前伺ったおうちが、題して猫と住むための家、だった。

といって「猫屋敷」・・・shock

みたいな不気味なイメージではない。とってもノリのいい50代の共働きご夫婦が老朽化した家を新築し、9匹の猫たちと暮らす快適な家を建てられたのだ。

私は別に猫嫌いではないが、幼少から犬とばかり共棲みしてきたので、あまり馴染みがない。ところがこのお家に伺ったら、「こんにちは~」とドアを開けたら、ご主人と一緒に猫が1匹、2匹駆け下りてきて足元にまとわりついてまずご挨拶。しかしこれもほんの2/9で、さすが猫。犬はとりあえずどんな奴がやってきたか、我先に確かめに来るが、猫の場合ベッドに隠れたり、家具下に入り込んだり、見知らぬ訪問者をとりあえず警戒しつつ様子が面白い。

そのお宅は見事に猫仕様だった。

玄関を入ってすぐのところにある階段。その下、え、こんなところに?という場所に特設の蛇口を設けた小さな水回りスペースがある。猫ちゃんが蛇口からちょろちょろ流れる水を飲むのが好きなのだそうで、さしずめ、Cats’ Fauntenとでもいうべきか。

1階から2階まではキャットタワーが設けられ、猫たちが自由にステップを踏んで上り下り。天井の高いリビングにはキャットウォークがあちこちに設けられ、壁のクロスや床ももちろんペット仕様。猫たちが日向ぼっこできるよう屋上を作る家が新築の目標だったというから、もう構造からインテリアまで猫のため、なのである。

猫たちはみんな捨て猫として保護されたコたち。

取材した日に目の前に現れた猫たちを見る限りでも、こんなに人に甘え、信頼している猫を見るのは初めてだった。寝るときは毎夜ひとしきり猫たちがベッドの場所どり合戦を繰り広げ、9匹の猫たちに占拠されながら体を捻じ曲げつつ就寝するのだそうだ(笑)。

ネコってクールな生き物だと思っていたのだが、そんな深い情が交わされる関係とは意外だった。それも捨てられた猫ちゃんだからこそなのかも・・・。でもご夫婦と猫ちゃんたちが本当に幸せそうな様子を見て、住む人の快適な暮らしをかなえるという家づくりの本願を実現していると思うのであった。

猫のために家を新築するなんて・・・

と、バカげてるという人は時代を知らない人である。今や家族のスタイルは変わりつつある。男の恋人は女とは限らないように、人間の家族が子どもやおじいちゃんおばあちゃんとは限らないのである。ネコやイヌ達と快適に暮らせる住まいをオーダーする人がいるのは必然だと思う。

これからどんどん高齢社会になると、夫婦に子ども二人、なんていう家庭こそマイナーになってくる。シニア向けのかゆいところに手が届く機能凝縮型のマイホームも増えるだろうし、一人暮らし世帯も増え、他人同士がパートナーとして共棲みする共同住宅なども出てくるに違いない。

ライフスタイルの変化とともに、家づくりも変わりつつある。

よく折り込み広告などで緊急時の体制や食事の配膳なども整ったシニア向けマンションのチラシが入っているが、1LDKとかの狭い住まいのくせに維持費などの設備も含めて何千万もしている。そういうのを見ると、設備が整ってるとはいえなんで何十年も生きてきて、こんな小さな箱住まいで人生の最期を迎えなければならないのか、と私自身はとても受け入れがたい。

私は少なくとも立派な設備は要らないので、自由にのびのびと野放しにしてもらえる住まい&暮らしを選び取れる老後でありたいと思う・・・。

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