« まぐろと鴨の鍋 | トップページ | 女子会 »

心に刃が突き刺さる時

人は何気ない言葉ひとつで、誰かを傷つけている・・・think

きっと私も知らないうちに無神経な言葉を投げかけ、誰かの心にグサッと音を立てて刃を突き刺していることがあるのかも知れない。

傷つけているかもしれないが、私だって傷つけられている・・・・。

ふいに思いも寄らぬ言葉が私の心に突き刺さり、その衝撃が時間を凍り付かせてしまう。痛みに声を上げる間もなくその言葉は刃となってずぶずぶと深くささっていき、目の前の視界は途絶え、息も絶え絶え、その場に倒れ込んでしまいたいほどうちひしがれてしまうことだってあるのです・・・。

久々に私を一瞬にしてそんな奈落の底へ突き落としたのは、その日やってきた灯油を巡回販売して回るバイトの兄ちゃんの何気ない一言だった。

眉毛を細く剃り上げ、高校時代はバイク乗ったりナンパしたりということしか記憶が残ってない、というようないかにも軽い風体。愛想はいいけど、粗暴なふるまいが前々からどうも気に入らない若造でした。

すっかり日も暮れてしまい、暗いので奥にあるタンクに灯油を入れてもらうのは今度にして、普通のポリタンクに入れてもらう、というようなやりとりを家の前でその兄ちゃんとしていたら、その言葉が突如私の体を貫き、撃沈された。

「お母さん、ほんなら土曜日の昼間に来た時にタンクにいれるわ」

「・・・・お、お母さん・・・!?」


「だ、誰に言うとんじゃ〜い!」

そんな言葉さえもちろん返せなかった・・・。それほど瞬私は間フリージングしてしていた。いくら暗いとはいえ、いきなりの「お母さん」呼ばわりに、ほとんど意識が遠のきそうになった。

家に入ってからも、決して自分のこととして受けとめたくなかったその言葉が、ぐわんぐわん頭を駆け巡り、血液という血液が逆流していそうだった。苦しみに身もだえしながらも、それでもやっとのことで私は言葉を絞り出す。

「あのクソガキ・・・」

確かにお母さんと呼ばれても全く不思議ではない年齢である。しかしまともにそんな風に呼ばれたのは初めてだったので、気を失いそうだったのだ。なんというか、あんな見ず知らずの兄ちゃんから見た自分が無邪気に「お母さん像」になっちまうという残酷な事実にしばし打ちひしがれたのである・・・。

そしてやがてそれは怒りに変わった。
その夜、あのガキからはもう絶対に灯油を購入しないことを心に誓ったのである・・・。

商売するなら、もうちょっと女心を勉強してから来て欲しいものだ。

あっかんべ〜bleah


|

« まぐろと鴨の鍋 | トップページ | 女子会 »

「Everyday Life」カテゴリの記事

コメント

ねねちゃん、タイトルをみて「一体何があってん。。」とすごい心配になったやんかあ~~。

今では「だれだれちゃんのおばちゃん」と呼ばれるのに慣れたけど、子供がもっと小さい頃、日本に帰って「おばちゃん」と近所のガキどもに呼ばれたときは一瞬だれのことかわからんかったし、ショックやったのを思い出しました。

これって日本語が悪いんじゃないかなあ。だってイタリア語だったら
「シニョーラ」っていう言葉ある。訳せば「・・夫人」っていう意味だけど、成熟した大人の女、という響きがあるので、たとえ「シニョリーナ」と呼ばれなかったにしても、悪い気はしないもんね。東洋人は若く見えるから私もいまだに「シニョリーナ」と呼ばれることはあるけど、わ~い若く見られたわンとよろこぶほどのこともないし。どっちかというと前者のほうが好き。
一方日本語には大人のステキな女性に対して使えるタイトルってないもんなあ。おばちゃんとかお母さんとか、いけてないのしか無いもん。ねねちゃんのショックやった気持ち、よくわかるわ。

でも罪を憎んで人を憎まず、、と言うではありませんか。またその兄ちゃんから灯油買ったげて(笑)。

投稿: いくこ | 2011年1月29日 (土) 00時15分

いき、その通り!!

日本語には大人の女性に対する敬称がないのです。家に来る物売りはみんな、家から出てきた大人の女性をとりあえず奥さんと呼ぶ。Ms.かMrs.かもわからないのに・・・。つまりある程度の年を過ぎたら、どっちでもええってことやん。
それだけ女性に対する認識が貧弱ってこと。

他に呼びようがないのも確かだけど、「お母さん」はないやろ〜
また怒りがぶり返してきたdash

日本語にもぜひ「シニョーラ」のような言葉を生み出さなあかんsign01
最近では「女子」って言葉がよく使われるけど、どちらかというと女性が自分達を呼ぶ時の可愛げのある呼称って感じで、大人の女性の素敵な響きはないもんね。

大人の素敵な女性がもっと増えたら、あるいは生まれてくるのかもね!

投稿: ねね | 2011年1月30日 (日) 22時33分

お久し振りです。

お怒りは重々承知致しておりますが、一応男子代表として一言を。。

どうでもいい他人(それもある程度以上の妙齢)の女性を呼ぶときには、奥さんかおばさんかおばちゃんでしょうね。でも、知っている人、例えば友人のお母さんなんかにはおばさんともおばちゃんとも言わずに「お母さん」と言いますよ。これって親しみを込めて呼んでいるつもりでもあり、男子にとっては母親というものの存在がいつまで経っても大きなものであることを表していると思うのですが。。

そういう意味ではお兄ちゃんの発した「お母さん」も親しみを込めた表現ではなかったのか?と。

ヤンキー時代を過ごした者としてなんとなくお兄ちゃんの気持ちが判るような。。。

投稿: きりん | 2011年2月 7日 (月) 17時42分

きりんさん

こんばんは〜!
あのさ〜、アタシは母親でもなんでもないわけ。
それなのになんで「お母さん」って呼ばれなあかんわけ!?
親しみも何もないねん、
まちごーてんねん、そこが!!

女性がある年齢になると
おばちゃんかお母さんになってしまう国なんて
オトコにとっても魅力的でないと思うけどな〜

オヤジって呼ばれる方がまだいいわ!

投稿: ねね | 2011年2月 8日 (火) 23時14分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/129800/38633680

この記事へのトラックバック一覧です: 心に刃が突き刺さる時:

« まぐろと鴨の鍋 | トップページ | 女子会 »