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密かな才能

時々、専門分野以外の仕事を頼まれることがある。
その一つが似顔絵描きだ。

学生の頃から先生の似顔絵をふざけて描いたりはしていたのだが、別に特技と思ったことはなかった。でも代理店時代、あるとき同僚の結婚式で使う似顔絵入りの看板を作ることになり、上司が私に「おまえ、描け」と言ってきたのだ。なんで私にそんな役目が回ってきたのかわからないが、その同僚もお嫁さんもチョー描きやすい顔だったので、うまい具合に絵になった。」

それ以来私は「似顔絵が描ける人」と思われるようになった。以来、ちょっとした挨拶文に、社内報に、中期経営計画の挿絵にと、重宝された。しばらくそんなことも忘れていたのだが、この頃になってまた似顔絵を描かされている。私が似顔絵を描くことを覚えていたデザイナーが、「ちょっと頼むわ〜」といって泣きついてきたのである。あるオジサマ社会貢献団体の会報誌用に会員の似顔絵が必要になったという。

似顔絵って、そもそもクラスにちょっと絵の上手い子がいて先生の似顔絵なんかをサラサラっと描いて、みんなで笑い合うっていうノリ。そういうヒジョーにクローズドな人間関係で通じる記号でありネタなので、媒体も社内報だとか、会報だとか、あるいは結婚式の看板とか、身内の範囲に限られる。そういうマイナーなメディアに掲載するのに、わざわざ高いギャラを払ってイラストレーターに頼むほどではなく、といってここは写真じゃダメやろ〜という、金はないがウケは欲しいというビミョーにわがままな状況で話が持ち込まれるのである。

実際絵の上手いイラストレーターでも、似顔絵がうまいとは限らず、といってアウトブレーンに似顔絵描きという看板を挙げている人も、プロダクションもおそらくない。デザイナーは一瞬どうこのオーダーをかたづけたらいいか思案する。そんな時、昔見た結婚式の看板に描かれた似顔絵が浮かび上がる。「あ!あいつに頼んでみよう」ってことで私に電話がかかってくるのである。まさにニッチな商売である(別に商売にしてませんが)。

前にも述べたが、似顔絵というのは決して絵の才能があるから描けるものではない。自分でもなぜ人の似顔絵が描けたりするのかよくわからないが、全然関係ない時でも、人と話をしてたりすると、「あっ、この人描ける!」という瞬間がある。人の顔はさまざまだが、中にはとっても描きやすい人がいたりするので、テクニックではなく非常に感覚的なものだと思う。スケッチでもなく、デッサンでもなく、印象のデフォルメといったところだろうか。人の顔というのは、見ている人の目に平均値で映っているのではなく、特徴的なところが優先的にその人の印象として焼き付けられているように思う。つまりその人たらしめているパーツや表情を掴むことが「似させる」コツだ。

でも今回頼まれた似顔絵は、ちょっと難しい。というのもこれまでは知ってる人の似顔絵だったのが、会ったこともない人の顔を会員証の写真のようなものだけを頼りに描かなければならない。知っている人なら見た目の印象をどこかで捕らえているはずだが、会ったこともない人なので写真からの印象だけなのでイメージが薄い。

似てるんだろうか、似てないんだろうかよくわからないが、既に上げた似顔絵数点はデザイナーからOKもらってるんで問題ないようである。ってか、「描き直し」とか言われると、そら暴れるでしょ、私も(笑)。だって似顔絵のプロでもないんだし・・・

それにしても、なんで似顔絵なのか・・・。
私としてはゴルフが巧いとか、数字に強いとか、願わくばもっと別の才能をいただきたかったとしみじみ思っている・・・。


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