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お金の使い方

取材で訪れた京都の老舗料理旅館。
若い女性向けの媒体では適当にあしらわれるかと思ったが、意外にも女将さんはウェルカムな感じ。といっても食事は一番安いお弁当でも4,000円以上するし、泊まると1泊30,000万以上はする。若い女性達にとってはかなりの贅沢である。

「若い人にどんどん来ていただきたいんです。高いお金を払ってでも得難い付加価値が、こういう老舗と呼ばれる旅館にはあります」

料理ひとつ、サービスひとつ、日本家屋の空間ひとつとっても、他では得られない体験があるという。そういう本物、一流と言われるものに若いうちから触れ、感性を磨いて人間性を豊かにすると同時に、長い歴史の中で育まれてきた日本文化や伝統を次代へ伝え継いで欲しいという願いもあるようだ。

同じような意見を最近京都で急成長したある会社の社長さんからも聞いた。

その社長さんの場合、クリエイティブな関係のためか、若い者は安もんの車に乗らずに一流の車に乗れと語っておられた。世界クラスのいわゆるブランドの車というのは、デザインであれ走りであれ、乗るだけで付加価値がある。少々やせ我慢をしてでもそういう一流のものに触れることで感性が磨かれ、自分が刺激されるし、何百万もするだけに自らの野望をも奮起させるのだと。

わからんでもない。
私達は少しモノの見方を変える必要があるのかもしれない。

世の中不景気で、消費は相変わらず縮小傾向にある。若者は車に大枚をはたくことはせず、貯金に将来を託す。Maid in Chinaは私達のモノの価値を大きく変えた。衣類や日用品はプライスボーダーをどんどん打ち破っていき、大抵のモノが100円で購入できたりすると、ものづくりの尊さやその対価はどんどん薄れていく。

そんな中で女将さんや社長さんの言葉からは、お金を払って商品の価値を実感せよといってる気がする。100円のものにはモノの価値としての実感が得られない。でも車や空間など、その商品にしかない付加価値に対してはケチであってはいけない、どん欲であれということ。そういう経済観念というか、モノの見方を曇らせてはいけないということではないだろうか。

安いものばかり作って、安いものばかりを購入して、みみっちい暮らしをしていると、だんだん人間が小さくまとまってしまうような気がする。欲望を抑え、冒険もチャレンジもしない、守りばかりの人生なんてつまらない。

こんなものがこんな値段で購入できてうれしい!というささやかな喜びに甘んじているのではなく、いいモノに触れる長〜い喜びやときめき。その感触や実体験をどん欲に求める必要があるのかもしれない。

老舗旅館で過ごす優雅な休日。
今想像してちょっとニンマリしている・・・。

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コメント

あ~同感!!
いつも、私が感じていることをねねさんはビシッ!と文章にしてくれて
なんとも快感です。
同世代だからなのか、育った街が同じだからなのか、もうビンゴー♪って感じではまります。

お料理の世界でも付加価値というものを大きく評価している今日この頃。
そして、感性は若いときにしか磨くことの出来ないと信じている私です。。。。

もうおそい?sweat01
いや、まだまだ~scissors


投稿: chineseのMちゃん | 2010年8月 3日 (火) 07時23分

Mちゃん、元気?

モノの持つ価値というのが最近ないがしろにされてるよね〜
安いものを買って倹約することももちろん大事だけど、
バーンとお金を払って手に入れることも実は大切なんだよね。

そのあたりのジャッジをしないで、
とにかく節約節約って人が増えている気がする。
なんだかつまらん世の中だよね・・・。

メニューやもてなしの付加価値、
MちゃんChineseならではの体験を今度も楽しみにしています!

ねね

投稿: ねね | 2010年8月 5日 (木) 11時22分

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