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マッチポイント

大好きなウッディ・アレンの映画「マッチポイント」を観た。
といっても劇場では観られなかったのでCS放送で。久々に観たけれどやっぱりこの人の映画は好きだな〜、アタシはheart04

この映画はニューヨークが舞台の、ウッディ・アレン自身が主人公によるいつものコメディタッチのものではなく、舞台はロンドン、ヨーロッパの現代の上流社会におけるちょっとスリリングな、ドロドロとしたもつれ合いもある作品である。まずなんといってもキャスティングがいい!上昇志向の強いアイルランド出身の元テニスプレイヤー、クリスという青年が主人公で、これを演じるジョナサン・リス・マイヤーズという俳優もいいし、ちょっと危ない女優の卵役のスカーレット・ヨハンソンがまたいいsign03 

すごく野心家で、身勝手で、哀しいほど地位や名誉に支配されているクリスという人物は、一方では官能的な愛に溺れる一面も持ち合わせている。それぞれの欲望が渦巻く故にさまざまな葛藤と常に背中合わせ。テニスコーチからせっかく上流社会の仲間入りを果たしたのに彼の生活には偽りがつきまとう。それも彼自身が引き起こしたtragedy(悲劇)。彼のような人物が魅力的とは思えないが、さまざまな自分の中の葛藤や矛盾に苦悩する姿は、十分身近にいそうな人物である。

スカーレット・ヨハンソンも、美貌と色気があるのにまともなオーディションでは落ちてばかり、上流階級の男性に惚れられながらも結婚まではこぎつけられずにいるなど、何かが上手く噛み合っていない。挙げ句の果てにクリスに巻き込まれて悲劇へと向かっていく。彼女は「Lost in Translation」で演じたナチュラルな役も良かったが、マッチポイントで演じる哀しき官能女性も秀逸だった。この映画はスカーレット・ヨハンソンというキャスティングがかなりポイントが高いと思う。

主役級の人達もいいのだが、ウッディ・アレンの映画で好きなのは周りの人間達の"無知ぶり"がいつも面白い。深刻な悩みを抱える主人公らの一方で、まったく異次元にあって屈託のない会話を交わす妻や妻の家族達。上流階級の人達が身につけた意識や行動を惜しげもなくさらして、自分達の世界にどっぷり浸かっている姿がまた面白いのだ。中でもクリスの妻役の、エミリー・モーティマーという女優が、決して華美ではないattitudeとまるで不幸など想像もしないような自然な純粋さが、いかにも上流階級を物語っていてリアルだった。

この映画のテーマに横たわるのは「罪と罰」。それは深い闇として横たわるのであるが、タイトルの「マッチポイント」が表すように、運命のほんのちょっとの差で人生など変わってしまうのだということも意味している。それが終盤でウッディらいいウィットのあるシーンで描かれていて、ハラハラしながらも彼の映画らしい着地点となっている。シリアスなテーマを投げかけながらも、いつもどこかユーモラスな人間ドラマを新鮮なカタチで届けてくれる。

やっぱりウッディ・アレンは上手いと思うな〜smile


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