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ワープロへタイムスリップ

朝から原稿の納品に追われていると、お隣のご老人Kさんから電話。
この方は、とっても良い方なのだが、如何せん、話が長い・・・。
例えば、普通の人が「どこどこのお土産を買ってきました、どうぞ」とひと言で済むところ、K老人の場合、

毎年恒例の○○の会の集まりがあって、ホントは体調も悪いのであんまり私も行きたくなかったのだが、みんながKさんが来ないと面白くないというのでちょっと○○へ、一泊で行ってきました。こんなもんあんまりお好きやどうかしらんけど、ま、○○の名物言うたらこれですので、ひとつお裾分けにどうぞ。

と、前説から始まって軽くこれくらいの話には膨れ上がる。時々文脈が増えすぎて、一体本題がなんだったのか迷路に入り込むことも度々である。しかしお隣さんであると同時に、川柳のセンセイでもあるので、もちろん邪険にはできない。以前は庭先でK老人のハナシをフンフンと聞いているうちに、みるみる冷えてきて風邪を引いてしまったこともある・・・。

そんなKさんからの電話は、忙しいのに何の用だろうと、一抹の不安がよぎる・・・。

「いや、お忙しい時にすんません。あのね〜、ワープロの画面立ち上げたら・・・・」
案の定ハナシは長かったが、要するにワープロの使い方がわからないという内容だった。川柳教室主宰や社会活動にお忙しいKさんは、文章を作成する機会が多く、以前からワープロを愛用されていたようだ。今まで使っていたワープロが壊れたので、新しいワープロをもらって使おうと思ったら、キーボードを打っても、違う文字が入るのはなんでだろう・・・という質問。それはローマ字打ちの変換キーが入っているのだとすぐに察することができたが、

しかし、イマドキ、ワープロ!!?

という驚き。そしてKさんに電話で説明してもまったくらちがあかないので、とりあえず、私は午前中の原稿納品にアセッており、早く電話を切りたかった。

「わかりました、じゃ、後で見に行きますから」と言って、Kさんのなが〜〜〜〜〜〜〜いハナシなんとか切った。

手が空いてから、Kさん宅へ伺うと、そこにはかなり立派なワープロが鎮座していた。
前に座ると、マウスを持たない右手が妙に手持ちぶさたで、一瞬動かし方わからない。ワープロ発想に切替え、とりあえずかな変換にしてあげると、それだけでKさんは大喜びしていた。こういう機械ものの操作で人に喜ばれたことがない私は"自分がかなり使えるヤツ"かのように一瞬錯覚してしまった・・・。

それにしてもキーボードがややこしいったらない。文字のキーボード+機能キーみたいなのが2,3列ついており、いろんな機能名称がついている。しかもこのワープロは画面の下の方がタッチパネル式で、編集や図形はここで切り替えるという高度なものだった・・・。

文字サイズを変えるにもいちいち、機能を切り替えて文字サイズを選び、実行を押す。図形を作ったり保存したりする操作も、もうパソコンに慣れたアタマでは、皆目検討がつかない。Kさんはこのワープロの分厚い説明書を手にしていたが、こんなに恐ろしくややこしい機能を使いこなすようになるくらいなら、中古のパソコンを1台買った方がよっぽど労力は要りませんよと私は声を大にして言った。しかし文章を打つだけだから、パソコンなんて要らないと、なぜかパソコンにアレルギー反応を示すK老人。

70歳を過ぎて、独力でワープロを覚えただけでもKさんはエライが、パソコンを拒み、この超複雑なワープロを使いこなそうとするエネルギーというのはどこにあるのだろうか・・・!そしてそのエネルギーの差し向け方は正しいのだろうか・・・。

甚だ疑問だが、日頃からのハナシの長さは、天下一品! そのムダなハナシに向けられる労力は、今更ムダにワープロへ向かわせる労力と同じ種類なのかもしれない。きっとあの長々としたおしゃべりのように、気力を持続させながらワープロに立ち向かっていかれるのだろう。

しかしそれまでに、ウチに何度電話がかかってくるだろうか。
私としてはそれがちょっとコワイ・・・。

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