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試される老舗

風呂敷つながりで、今日は手ぬぐいの話である。
ブログを見たAちゃんが、上司への送別に贈る焼酎を風呂敷で包みたいというので、風呂敷を探しがてら「RAAK」というお店に入ってみた。ここは手ぬぐいのお店。しょっちゅう前を通っているのに、まだ一度も足を踏み入れたことがなかった。手ぬぐいって、風呂敷と違って手ぬぐい以外に使い途がなさそうだし、あまり期待してなかったのだが、これがなんと常人の手ぬぐいのイメージを覆すお店だった。

とにかく種類がたくさんあって、店内を見渡すだけでもざっと100種類ぐらいはありそう。
しかも色遣いがきれいで、古典的な柄からモダンな柄やモチーフまで、ガーゼ生地のものやサイズ違いのものなど、それこそ悩んでしまうくらいある。手ぬぐいは所詮手ぬぐいだろうとバカにしていたが、見たとたん、こんな手ぬぐいならテーブルセンターにしたり、額に入れて飾ってみたり、もちろん、バスルームなどのゲスト用の手ぬぐいにしてもGood! 

ここまできたか、手ぬぐいも・・・!

って感じである。もちろん、ラッピング用としても使える。お店にはブックカバーやワインのボトルを包んだ見本が飾ってあり、風呂敷とはまた違った風合いのラッピングが出来上がる。定期的にテキスト付き包み方講座も開かれていて、なんと9月まで予約でいっぱいなのだそう・・・。想像以上である、手ぬぐいの人気・・・!

結局Aちゃんは、手ぬぐいでラッピングすることにし、上司へのジョークと自分の趣味も込めて「ドクロ柄」の手ぬぐいを購入(果たして上司はどんなリアクションをするか・・・?)し、お店の人にボトルの包み方を教えてもらっていた(風呂敷よりずっと簡単!)。私もさんさん迷った挙げ句、テーブルセンターに夏らしい波模様の手ぬぐいを購入。たったの1500円だから、飽きたり、汚れたりしたらそれこそ手ぬぐいに回し、また違うのを買えばいいじゃん、ということができる。

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お店も繁盛していて、地元の人はもちろん、京都を訪れる観光客にもものすごく喜ばれそうである。聞くところによるとこのお店は、「永楽屋」さんがやってるのだそうだ。といっても、四条河原町にある佃煮と和菓子の老舗とは違う室町にある綿織物商の「永楽屋」さんのである。

そういえば、この「RAAK」をはじめ、姉小路通りだけでも老舗の新しい販売スタイルの波がひしひしと伺えた。老舗のブランド力はそのままに、「京都」や「和」をキーワードにしたモダンなオリジナル商品で「現代」に勝負をかけている。例えば代表的なのが「俵屋」というご存じ老舗旅館。同旅館のやっている「ギャラリー遊形」は、もう完全に京都観光においては"大人の必須店"となっている。俵屋さんで使われている香りの良い石鹸だとか、匂い袋だとか、リネンとか、品揃えも多彩で完全にショップとして集客を集めている。堺町入ったあたりには料亭「和久傳」が、立派な町家にお菓子やお醤油などおもたせの名品を売るお店を構えている。すぐきで有名な上賀茂の漬物屋「なり田」は、最近お漬物メニューを取り入れた、小じゃれた飲食店をオープンさせた。

京都はまさに今、老舗新店舗のラッシュである。それはまるで、老舗が伝統だけにしがみつくのではなく、現代にも通じる商売をなし得るかどうかと言う風に試されているかのようでもある。老舗がやるとすごいのは、同じような物を売ってても決して"おみやげ屋さん"になってしまわないということ。俵屋のグッズにしても、永楽屋さんの手ぬぐいにしても、地元の人間でも欲しくなるほどの商品力がそこにはある。品質といい、センスといい、パッケージといい、いかにして現代人の心をつかむ商品を送り出すか。そこには老舗が培ってきた「品質」や、「目利き」と「洗練」のワザが活かされる。実は商品や暖簾そのものではなく、この質への執着や目利きなどのワザ、ソフィスティケイトされたソフトが老舗たる所以なのだと思う。だから時代は移り変わっても、今みんなの心を魅了する一流のものを提供できる店が、やはり本当の老舗なのだ。本当の意味での伝統の継承というのはやはりモノではなく、ソフトなのだと思う。

あの嵐山「吉兆」の徳岡氏も言ってた。
伝統とは「適応力」だと・・・。その意味が今すごくよくわかる。

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