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牛肉イチバン信仰

北海道のミートホープ社のニュースが連日世間をにぎわせている。
牛肉コロッケって書いてあるのに、実はほとんど豚肉だったってこと。こんな消費者を欺くような行為は、製造側も販売側も絶対あってはならない。ミートホープ社には何の同情の余地もないのだが、一方でふと浮かび上がるのは日本人の"牛肉イチバン信仰"。

日本人は牛肉好きである。
好きであると同時に、牛肉がイチバン偉いと思いこんでいる人がすごく多いように思う。冷凍食品でも加工食品でも「国産ビーフ100%使用」とか、「牛肉入り」とかっていう文句が入っているだけで、自ずと商品が格づけされている。

はるか昔、機内でサービスをしていた頃の思い出が蘇る(ちなみにエコノミー)。
日本便は日本人のためにわざわざ日本食とビーフのチョイスを用意しているのに、実際サービスが始まると誰も日本食を選ばないのだ。座席を進む毎に、「日本食かビーフ、どちらがよろしいですか?」と日本食にアクセントをつけつつ聞いて回ってみても、

「ビーフ」
「ビーフ」
「ビーフ」

その言葉しかしらないのかと思うくらい、ビーフ以外の声は聞かれない。
お年を召した方などには特に、「ざるそばもついたおいしい日本食ですよ」とかすすめてみるが、元気よく

「ビーフ」

と返ってくる。
しかし、恐怖はここから始まる。これだけみんながビーフを選ぶと、当然ビーフが先になくなってしまう。この後は機内サービスがひたすら謝罪の行脚と化するのである。ビーフはall goneなのだから、もうひとつのチョイスである日本食かビジネスクラスからのオーバーフローのミールを食べて頂かなくてはならない。こういう時、大阪便や名古屋便だとさらに緊張感が増す。

「なんでないもん、メニューに載せんねん!!」

などという大変感情を露わになさるお客様に胸ぐらをつかまれながら(これはウソですが、そんなような勢い^^)、ひたすら謝罪しながら食事を配っていくのである。後に日本便からは日本食がなくなり、ほとんどがビーフになって私達が味わったような恐怖を味わうようなことはなくなった。しかしこの時身をもって痛感したのは、日本人のビーフイチバン信仰。他の便ではこんなことはまずない。なぜこれほどまでにビーフを心棒し、ビーフを絶対的存在と思う民族なのか・・・・。狩猟民族でもなく、騎馬民族でもない、穏やかに定住する農耕民族というのに、農耕民族の何がそこまでしてビーフを欲するのであろうか・・・。

私はといえば、普段ビーフはあまり食べない。
だってビーフはシンプルに焼いて食べるか、タタキか、ローストビーフか、とにかくあんまし料理しない方がおいしいので、ついつい料理して美味くなる豚や鶏肉などを買ってしまう。だからビーフはすぐ飽きてしまうが、料理によっていろいろと味わいが変わる豚や鶏は飽きない。

だからこんな私からすると、コロッケにビーフが入っていようが、豚肉であろうが、そう購買意欲を左右しない(誤解を招かないように言っておくが、ビーフと銘打って豚肉を売るようなサギは許されないが)。だってお肉屋さんのコロッケだって、肉まんだって、何の肉を使用してるかわかったものじゃない。この間コンビニで購入した冷凍ハンバーグ、オージービーフ100%と書かれてあったが、間違いなく羊の肉が入っていた。羊肉の臭みには敏感なので、すぐわかった。きっと今頃は内部調査しているのではないだろうか・・・。

で、別に羊を使用してれば羊肉を、豚肉を使っていれば豚肉と、私などは正直に書いて欲しいものだと思うが、やはりビーフイチバン信仰が根強い日本国民に対してそれらを明らかにすることは、製造側にとって相当勇気のいる決断なのかも知れない。ビーフ以外はガーンと格下げされてしまう日本における食肉のイメージ。ホントはコロッケだって豚のラードを使ったり、ハンバーグだってちょっと他の肉を混ぜた方がおいしくなるのに、実際のおいしさをおいといて、肉のイメージだけが先走ってるような気がする。牛肉偽装事件というのは、ミートホープ社以外にももっともっとあると思う。そしてビーフイチバン信仰が浸透している限り、この手のサギはなくならないと私は名言できる。

こんなことを書いたからではないが、今晩のおかずは牛肉のタタキ。
赤ワインを思い浮かべながらついつい購入してしまった。赤ワインを飲みながら食べる牛肉は、何よりサイコーである。そう、私は結局赤ワインが飲みたいから牛肉を買っているのかもしれない。

ま、これは少なくとも、塊で買ったので豚や羊ではないと思うが・・・。(*^_^*) 

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