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オヤジの読み物

今読んでいる司馬遼太郎の「坂の上の雲」がやたらおもしろい。
昨日も疲れているのに読んでいくうちにどんどん目が冴えて、眠るどころか夜中の2時半頃まで読みふけってしまった・・・*_*。この本は日露戦争前後の話なのだが、全8巻、今4巻目でちょうど日露戦争の前半ってとこ。戦争の話なんてあまり好んで読まなかったが、特に軍の話なんて興味も持てなかったが、これは違う。いや、3巻ぐらいからは戦争そのものを語り、軍や戦場が舞台になってくるのだが、人間像や人間関係の描き方が秀逸なのだ。しかも「あんた傍で見てたん?」ていうくらい描写が詳細で、ディテールまでリアルなのだ。やはり、ブラボー司馬遼!である。

日露戦争というもののリアルな背景を初めて知ったが、 そこにはいろんな複雑な要素が絡み合っていたことがわかる。明治維新からまもなくというその時代は進化の途上まっただ中で、まだ幕府や藩の名残があり、国内の安定感もままならない。産業も技術もない当時の日本というのは、欧米に比べるとそれこそ未開の地である。それでもアジアに押し寄せる帝国主義が、日本を襲ってくる。

けれども明治の人というのは気骨にあふれている。そして優秀で勤勉である。主人公は幾人かいるのだが、中心的な人が秋山兄弟。日本の騎兵隊の基礎を築いたと言われる兄、好古と、日露戦争を勝利に導いた参謀、弟の真之である。他にも正岡子規(彼は戦争とは関係ないが、秋山兄弟の幼友達である)や、開戦まもなく洋上に散る広瀬武夫や、連合艦隊司令長官の東郷などなど、本の中でそういう魅力的な人達にふれあうたび、自分が日本人であるというルーツを誇りに思うくらい、彼らの生き様が素晴らしい。

なんといっても彼らには仁義というか、礼節というか、例え敵国に対してもすごく尊厳があり、第二次大戦時の軍人イメージとはほど遠い。この時代というのは、武士としての美学、大和魂の真髄みたいなのが精神風土を十分支配していたのだろうと思う。かつて祖先は実はこういうものを持っていたのだと思うと、失われてしまったものがあまりにも大きすぎたような気がしてならない・・・。

と同時にこの本の面白さというのは、現代を感じさせてくれることだ。200年ぐらい遡り、時代や社会背景はまったく違うのだが、人間像であるとか人間関係だとか、あるいは戦略やマネジメント、外交といったものなどにいちいち「今」を感じさせるものがあるのだ。そういう何か普遍的なメッセージを読み取ることも、この本の面白さではないだろうかと思う。とりあえず私自身が最後まで読んで、また詳しく語れたらなと思う。

昔、仕事仲間の人で(私よりずっと年上の方だが)、司馬遼太郎の大ファンの男性がいた。語り出したら止まらなくなり、オヤジのくせにもう、ウットリ+ハートマークって感じで、そうやって多くのオヤジの心を虜にしている「司馬遼」といえば、「なんかオヤジ臭〜!」ってイメージが強すぎて、正直言ってなかなか手が出せなかった本のひとつである(エッセイならいくつか読んでる)。

とんでもない!!

なんと浅はかで無知だったのだろうか・・・。あまりに遅すぎるデビューを後悔するばかりだが、でもこれから全巻読破の読む楽しみができたというものだ。っていうか、オヤジオヤジって、言うてるけど自分も十分オヤジやん!

で、やっぱり「司馬遼」はオヤジの読み物やったっつーわけですわ。納得*_*

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